明々後日のビシャモンテ

パンセク大学生のひとりごと

6/XX 堕天少年と天神天使。part2

堕天少年と天神天使、

第二章〜梟の羽根〜

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冷たい水をください、できたら愛してください。

 

 

夏の夜の真ん中、月の下、俺は羽根を濡らして、

飛べないまま、自分の名前を悔やんでいた。

 

いつになれば飛べるのか、自由な空へ。

そう、俺にとって有名な「翼をください」は

とっておきの自殺ソングなんだよね。

 

悲しみのない自由な空へ

翼はためかせ飛びたい。

 

なんて酷いストーリーだろう

進むことも、戻ることもできずに。

 

あなたが望むならこの身などいつでも差し出して良い

そう言ってくれる、人がいるにもかかわらず、

 

日本のど真ん中で暮らしている少年は、恋をしてしまうのでした。

 

 

相変わらず、依存をしている。

多分、躊躇いなくセックスもするし、俺も抱きしめられたいと願っている。

けれど、荒野に咲いたアゲハ蝶には近づくことはできないオアシスなんだよ。

 

最近、ここ一ヶ月、出会った人がいる。

(part1での、「約束」が交わされるずっと前のお話)

 

出会い系アプリで出会った人がいる。

初めてやりとりをしたのは

土砂降りで豪雨の日だった、

鮮明に覚えている。

 

顔もわからない人とやりとりをしていた。

ずっとアンインストールしていた出会い系アプリ、

何を思ったのか血迷ってしまい再インコ。

舞い上がって物色していた。

 

適当にながれていくスポットの顔たち、

誰にも興味が惹かれない。

けれど一人の人物に、惹かれた。

よくわからないけれども。

 

まぁ、一回セックスして縁も切れてサヨナラ

その程度の出会いであろうと、思っていた

 

こんなにも溺れ掛けてしまうことになるとは

当時思いもしなかった。

 

俺はその週末、ふとしたことからその人と会うことになった

顔もわからないまま、会うことになった。

普通なら絶対しないことだが、なぜかそこへ向かった。

初めて会うのに、顔もわからない、初めましてなのに

いきなりその人の家に上がり込んだ。

 

まぁ、俺はちょっとこの後用事あるから

30分くらいしか余裕ないけど、という

言い訳、保険、まぁかけておいたのもあるけれども、

用事があったのは確かなことである。

 

そして、ハジメマシテ。

まさかのどストライクなお方だった。

見た目だけ言っても、ずるい、嫉妬してしまうくらいには。

 

まぁ、読めるけれども、ちょっとエッチな雰囲気にはなったが

いや、ここからは読めないか。

 

セックスはせずにただだらだらと過ごして、

その人が飼っているペットと戯れながら、

また来る、と言って家を出た。

 

なぜだか、惹かれてしまった。

きっと、普通に話し合える人ってのもあったからかもしれない、

出会い系アプリで会う人なんて、ロクデナシのクズか

性欲に飢えた猿しか居なかったからだ、

 

普通にまた来いよって言ってくれて

嬉しかったのを覚えている。

 

 

〜〜〜〜〜

そして、用事が終わり(髪切ってきた)、

バイトの指名、さらなる個人、お店のお客さんだったが、

お店を通さずに会うという、タブーで、ガチな方のサポ、

まぁ、ちゃちゃっとセックスさせてあげるから金くれってやつ、

悪くないお客さんだったから、承諾したが、

それに向かう足取りはとても憂鬱だった。

 

まぁ、その一連の行為が終わり、解放されて、

オッサンとさよならを交わした。

出張で来てただけらしいから、もう二度と会うことはないだろう。

 

そして、

 

夕闇の街に投げ出された。なぜだか無性に寂しくなった。

俺が本当に、興味があって、心から願う人に抱きしめて欲しい。

体が寂しくて仕方がなかったんだ。

 

もう一度、夕方にあったお兄さんに連絡をした、

「おー、来んの?いいよ」って、

待ってるわ、って。

 

ぶっちゃけ嬉しかった。

すぐさま準備して向かった。

 

家につき、部屋に上がると、

体に染み付いた性液の臭いが、

その兄ちゃんの独特の香水の匂いにかき消されて

まるで俺自身を許された気持ちになった。

 

「メシ食ってないんか?」ってアプリで連絡来てて

「食ってないっす」ってあらかじめ伝えてあったからか、

 

俺もう食ったからそんなに食わんけど、食べにいくか?と連れ出してくれた、

いや、連れ出してくれたという表現はおかしいかもしれない。

普通に、一緒にメシ言って会話しようぜって意思が、

その人からわずかながらも感じることが出来て嬉しかった。

 

そんで、近所の鳥貴族へ言ってたわいもない話をしながら

その人にどんどん惹かれていった。

 

お酒も多少入っていったのもあるが、

お互い強いってのもあるか(俺は翌朝からバイトだと伝えてあるのでそんな飲んでない)

まぁ、普通の感じで打ち解けていった。

 

文章じゃ人物わかりづらいと思うから、

鳥貴族連れてってくれたってことで

その気になってる人を鳥木の兄ちゃんと呼ぶことにしよう。

 

 

その鳥木の兄ちゃんは昔からジム通ってるみたいで、

筋トレの話だとか、ジムのあるある話だとかで盛り上がった

(俺もへっぽこだがイントラってだけある)

アウトドアの話や、兄ちゃんの旅行の話だとか、

俺との共通の趣味のロードバイクの話だとか、

いろいろ聞いてるうちに、さらに惹かれていった。

 

もっと知りたいと思ったし、

お酒も多少なりとも入っていたので、

一緒にいたいと思った。

 

 

お会計の時、普通に割り勘だと思っていたら

全部支払ってくれたのも、かなり好印象。

こういう話をするのは下衆いかもしれないが、

ああ、なんかちゃんと歳下の後輩みたいな感じで、

ここは俺に任せろっみたいな、嬉しかった。

 

俺とサシ飲みしていて、少なくとも気分が悪くなったり

イラついたりしたとか、そういうことになってないっていう

安心感でもあった。

 

荷物を鳥木の兄ちゃん家においてあったので、

戻ることに。

 

二人で歩いていく街。

 

ちなみにそこは、俺が働いてる怪しいマッサージ店の勤務先からすぐのところであったので、一人苦い気持ちで、他のスタッフなり客に合わないかうつむきながらしょぼくれて歩いていた。

 

不意に

 

「泊まってくん?」

 

え?いいの?

 

 

ってか、俺んち、兄ちゃん家からチャリで7分とかなんだけど←

嬉しかった。もちろん。

 

けど、

やっぱり、セックス目的なのかななんて落ち込んだりもした。

 

家について兄ちゃんはそそくさと寝る支度を進めて俺は

ぽかーんと、飼っているペットを眺めていた。

 

そっから一緒のでかい布団に潜って、

だらだらと金曜日ドラマをみたり録画してたテラスハウスをみたり、なんだこれ、って内心困惑しながらも寝るぞーってなった。

 

見た目厳ついのにペットがめっちゃ懐いていて、

おいっこらっこらっって棒読みで焦ってる姿をみて

嗚呼、なんか怖い印象だったのに、かわいいとこあんじゃんって

一人でニヤニヤしていたら、何笑ってんだよと突っ込まれたのも何気に嬉しかったりしたんだ。

 

嗚呼、なんか久しぶりに、なんか、ね、

久しぶりに、ああ、こういうの、いいなって。感じたんだ。

 

そんで、寝る。

 

 

 

 

 

あれ?セックスは???

 

 

いや、たとえ迫られても、ワンナイトでやっちゃうような

過ちはしないぞと覚悟決めて居たが、あっさり眠りにつく。

これはこれで嬉しかった。嬉しかったとともに。

 

あれ?もしかして俺に興味ないんかなって、

落ち込んだりもした。

俺のことタイプじゃなかった?イケなかった?

でも俺のこと無理だったらわざわざ飯連れてってしかも

奢ってくれて、泊めてくれて一緒の布団入れてくれて寝るか?

 

ビシャモンテはたいそう困惑した。

悩んでいたが、まぁ幸せには違いないので寝ることにした。

向こうもセックスで使い捨てようとしていたが、

なんか仲良くなっちゃって冷めたって感じなのかなって

勝手に解釈した。

 

 

 

WHAT?????

普通に腕枕してきた。

 

なんだ?ってかこのブログってこういう記事書くブログだっけ?なんだこれ?一体何を書いているんだろう?

 

それは置いといて、

 

浄化されていくようだった。

久しぶりに、本当の人肌に触れた気がした。

鳥木の兄ちゃんの残り香の匂いがとても甘く感じた。

 

嗚呼、いつかこの香水の匂いが悲しい思い出となってしまう

そんな時がこないことを祈りながら、

こんな日々が続いていけばいいのにななんて願いながら、

 

もっと自分も頑張ろうって思ったんだ。

 

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何を?何を頑張ればいい?

 

 

 

そして月日は経ち、数週間経った今でも

俺は、あーあなたに会いたいなーなんて

だらだらとつぶやいている。

 

 

 

あれ?

 

 

 

そもそも、俺はこの兄ちゃんに恋い焦がれている

そんな権利があるのだろうか?

自分のご身分をご理解でしょうか?

俺は?許されるのだろうか?

 

今、自分は、天神天使から支援を受けて

ようやく生きていけている、まともな

生活を送ることが赦されている。可能となっている。

 

いいのだろうか?

 

 

しかも、現在進行形でその天使に依存している現状である。

 

許してもらえるのだろうか?

そもそも誰に赦されたいのだろうか?

 

俺は、嘘をついているのだろうか?

何もかも、自分の境遇も、やってきたことも、

独白すら出来ないようなことも、

誰にも言えないようなことも、

ずっと胸にしまって、ゆらゆら揺れている。

 

 

苦しい。

 

 

 

 

普通に恋をすることすら、赦されないのだろうか?

俺は、何を求めて生きていけばいいのだろうか?

 

 

赦されることはあるのだろうか?

誰かに嘘をつき、いや、嘘さえもつかない、

何も言わないんだ。何も言わない、

無言圧力、沈黙は金なり。黙ってれば何もわからない。

誰も傷つくこともない、知らなければ、誰も傷つくことはない。

 

そうなんだ。きっと。わからないけれど。